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2017年3月20日 (月)

ロトスコアニメ情報1『 ユーリ!!! on ICE 』

本日は春分の日です。

たまたまですが、本年、初のUPと重なり

 

何がしかのスタートをきるには最適な日のようにも思われます。

今回から『 ロトスコアニメ情報 』というカテゴリを設け、

ロトスコープアニメに関する情報を即時性を重視して、

記していくことにしました。

と言うのも、これまで数回、書き記してきた

『 日本ロトスコープアニメ正史 』は

正確な内容を届けるため、調べや確認のため

それなりに時間を要し、

UPするのも数ヶ月おきという状態になっていました。

もうひとつの理由は、

進化したロトスコープアニメが日本独自の手法として

1つのジャンルとして確率されつつあるのではないか?

まだ、メジャーな存在とまでは言えないと思うのですが、

毎日のように何らかの形でロトスコープアニメを目にし、

その情報も年を追って増えているように感じています。

そして、制作者側などの意図や認識不足によって

用いられている手法や名称が

かくも見事に不正確でバラバラになっており、

これを正確にまとめあげておきたいと思い立ちました。

なを、

『 日本ロトスコープアニメ正史 』については

『 ロトスコアニメ情報 』よりも

詳細な情報と、ある程度、時系列に沿っての

ロトスコープアニメの特にこの20年の国内での広まり方などについて

引き続きUPしていこうと考えています。

さて、第一回目の『 ロトスコアニメ情報 』は、

『 ユーリ!!! on ICE 』 についてです。

ただ、このテキストも一ヶ月ほど前に途中まで書いて寝かせてしまったため、

やや古い情報となってしまいました。

前回UPした

『 たった24fpsを12fpsにするだけの

ごく単純なことを誰もできなかったのでしょうか? 』

に少し関連したことも書きました。

雑誌『 CREA 』( クレア )2017年3月号にて

 

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 大人のためのアニメガイド

    みんなアニメに夢中。

として特集が組まれ、その内の1作品として

『 ユーリ!!! on ICE 』について

ロトスコープアニメのメイキングなどについて少しだけ書かれています。

昨年10月から、深夜2時台に男子フィギュアスケートの世界を描いた作品で、

原案、脚本などはマンガ家の久保ミツロウさん。

コミックのアニメ化などではなく、この放送のためのオリジナル作品だということです。

フィギュアスケートの振り付け師や衣装デザイナーも参加し、

実写のスケートのシーンの撮影を行ったそうです。

MAPPAというアニメ制作会社のアニメーターである、

立中順平さんと安彦英二さんが作画を担当。

『 スポーツやアクションシーンのスペシャリスト 』だと書かれている通りのリアルな躍動感の感じられる素晴らしい作品となっています。

『 モチーフも、カメラワークを決めてからPCで2Dの絵を描いていくデジタルでの作業も初めて、全て手探りで大変でした。』( CREA文中より引用 )

とあるようにロトスコープアニメの制作は初めてのようです。

ただし、不思議なことに

「 ロトスコープ 」という言葉がひとつも書かれていません。

放送のクレジットなどを確認してみないと正確なことは判りませんが、

前述したようにこういったことは初めてではありません。

制作者側などの意図や認識不足によって

用いられている手法や名称が

不正確でバラバラになっています。

正確な定義に準ずれば、この作品に用いられた手法は

  『 第一期ロトスコープ

  =ファーストロトスコープ=オールドロトスコープ 』

とは異なるので

「 従来のロトスコープ 」ではありません。

( このblogでは、

  1959年の『眠れる森の美女』辺りまでのディズニー映画、

 国内では1958年、東映動画スタジオ(当時)による

  長篇アニメ映画『 白蛇伝 』辺りまでを

  『 第一期ロトスコープ

  =ファーストロトスコープ=オールドロトスコープ 』

  と呼ぶことにします )

なので「 ロトスコープ 」の表記が見られなくても間違いではありません。

『 ユーリ!!! on ICE 』は

『 第二期ロトスコープ

( セカンドロトスコープ=ニューロトスコープ )』

の手法に含まれる、実写作品のようなカメラワークでの実写映像を24fpsに分解し、内12fpsを作画の土台とする、20年ほど前に私が考案した手法で制作されています。

この手法を私が考案、制作する以前には日本に12fpsのロトスコープアニメはたぶん存在していません。

現在のところ詳しく調べていないのでおそらくですが、海外においても同じく存在していなかったと思います。

インターネット上などで徹底的に調べたことはないので、興味のある方は調べていただければと思います。

このblogでも、これまでは

『 第二期ロトスコープ

( セカンドロトスコープ=ニューロトスコープ )』

の作品であっても、「 従来のロトスコープ 」として記してきました。

12fps以内で制作されたロトスコープアニメがここまでスタンダードな手法として普及してしまって、

今更『 私が考案したもの 』と伝えても何の意味もない、

この20年の経緯の説明が大変であること、

 

などと考えてのことです。

半分のフレーム数にする、という簡単な単純なこと、と捉えられると思うのですが、

90年代中頃にこの12fpsのロトスコープアニメを考案、制作した当時は、ロトスコープアニメを作ること自体、資金的にもパソコンのハード面などにおいても数々のハードルが存在していました。

何よりも大きかったのは、ロトスコープアニメは24fpsで作るもの、という人々の固定観念でした。

さらには、アニメの動画が描けない人が使うズルい技術、という捉え方もされていました。

私、金谷孔正が当時、改革や新たに考案した手法を大きく分類すると、

1. 広角、魚眼レンズ、ステディカムなどを用いて実写での撮影を行いその映像をパソコンに取り込み、

  以下の新たに考案した第二期ロトスコープなどの手法で映像の加工を行い

  実写作品のようなカメラワークでのロトスコープアニメの制作を行った。

 

2. その実写映像を24fpsに分解し、内12fpsを作画の土台とする。

  ロトスコープアニメ = 24fpsアニメ = フルアニメ

  でしたから、それに相反する

  12fps以内のアニメ = リミテッドアニメ

  の考え方を取り入れる形となりました。

  結果、『 リミテッドロトスコープアニメ 』という

  正反対の意味の言葉が同座する不思議な名称の手法となりました。

3. 当時、新たに考案した水彩ロトスコープアニメ(12fpsなど)の制作を行った。 

4. 当時、新たに考案した油彩ロトスコープアニメ(12fpsなど)の制作を行った。

5. 当時、新たに考案した陰影のロトスコープアニメ(12fpsなど)の制作を行った。

などになります。

今、見ると稚拙な作りですが、

興味のある方は以下の、素人の私が当時、制作した映像をご覧下さい。

説明文はYou TubeにUPした時そのままです。

「 タランテラ~死の舞踏~ 」

リスト作曲「タランテラ」「死の舞踏」に基づいた物語。当時初めて個人で制作したロトスコープアニメ(ダイジェスト版)です。1フレームずつを全て手描きで行っています(一部3DCG)。BGMでもある上記の曲に合わせてのストーリー進行となっていますがウェブへ掲載するにあたりセリフ、効果音と共に割愛いたしました。

「 片結び 」

少女の幼なじみの少年が、靴ヒモを結ぶとき、幼い時からいつも特徴のある結び方をしていた…。そこにはある秘密が隠されていて‥。というストーリーの基に実験的に水彩調のロトスコープアニメで個人制作したものです(パイロット版)。1フレームずつを全て手描きで行っています(一部背景3DCG)。

「 片結び 」は12fpsではなく、逆にコマ数が増加しており、24fps以上のハイスピードカメラで撮影した状態の映像となっています。

何故、そういうことになったのかはまた追々、記していこうと考えています。

なを、上記の手法の

      『 リミテッドロトスコープアニメ 』

      『 水彩ロトスコープ 』

      『 油彩ロトスコープ 』

      『 陰影のロトスコープ 』

などの名称自体も全て私が当時、考案したものです。

ただし、『 油彩ロトスコープ 』については、後で知ったことですが同様の手法で同じ頃に海外で制作されているクリエイターの方々もいらっしゃいました。

詳細は判りませんが年代的にも確かパソコンは使われずアナログ手描き24fpsでの制作であり、『 油彩ロトスコープ 』という名称も使われておらず、主に別の名称が使われておりました。

しかし現在、その手法の映像を見た場合、クリエイターの方々などは『 ロトスコープ 』として認識する方がほとんどだと思います。

何故そうなってしまったかというと、

私がその別の名称で呼ばれていた手法までをもを含め『 ロトスコープ 』という1ジャンルとして20年ほど前から方々で説明、応募、プレゼンなどを行いました、

その後、

これらの手法を、とても優秀な(特に日本国内の)クリエイターたちが用いて、

各々の作品として世に広めていかれました。

さらにロトスコープとは関係のない固有の名称を付けられた方々もいます。

無名の素人が考案した手法をトップクリエイターの方々が作品に取り入れるという、希有な出来事が起こったのでした。いづれの作品も到底、私一人では作り得ないような素晴らしい作品となっています。

なぜ、私が別の名称の手法までをもを含め『 ロトスコープ 』としたのかというのは以前にもこのblogで述べたように、「 無名の私が考案した映像手法である、というよりも古くからあるクラシックディズニーが用いた『 ロトスコープ 』という手法です 」と簡略に説得力があるよう、自分なりに判断していたからです。

なを、『 油彩ロトスコープ 』の別の名称、というよりも元々の名称については『 日本ロトスコープアニメ正史 』などで当時の資料なども交えて記していこうと考えています。

ここが皆さん、特に混同されているところでもあります。

最後に『 ユーリ!!! on ICE 』の(遅い)情報をもういくつか。

 spoon.2Di vol.21 (カドカワムック 675)

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という昨年末発行の雑誌に『 ユーリ!!! on ICE 』の特集がされているそうです。

  ユーリ!!! on ICE オリジナルグッズプレゼントキャンペーン!!!

  抽選でオリジナルグッズが当たる!

サークルKサンクスまたはファミリーマートで対象商品1品を含む¥500以上のレシートを撮影、応募するとイベントのチケット( 4月29日舞浜アンフィシアター )やクッションなどが当たる、というものです。

残念ながら応募期間が2月28日までとなっており、私の筆不精などのため締め切りを過ぎてしまいました。申し訳ありません。

  オトメビジュアル2017 (Gakken Mook)


こちらの雑誌にも『 ユーリ!!! on ICE 』の特集がされているそうです。

作画についての解説やインタビューの記述はありますが、

ここにも「 ロトスコープ 」という言葉はひとつも書かれていません。

 「ユーリ!!! on ICE」公式ガイドブック『ユーリ!!! on Life』 (扶桑社ムック) 

   2017/4/27発売

「ユーリ!!! on ICE」公式ガイドブック『ユーリ!!! on Life』

今後もロトスコープに関することで知り得たことはなるべく早くUPしていこうと思っています。

20年ほど前、都内のアパートの一室で非力なパソコンで新たな映像やロトスコープ の研究を始め何年か経ったころ、ヤフーやgoogleなどの検索サイトが普及し始め『 ロトスコープ 』と打ち込むと30数ページ?とかそんなものでした。試しに『 自動車 』などと検索してみれば…

言うまでもなく圧倒的な物量の差を見せつけられました。

この世の中に数多ある事象の中で私はこんなマイナーなことをやっていて大丈夫なのか?と己の人生が少し心配になったほどです。

そんな頃を思うと、『 ユーリ!!! on ICE 』は私とは何の関係もない作品ですが、ロトスコープアニメのキャンペーンなどが行われるまでになるとは夢にも思っていませんでした。

 

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