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2006.05.24

『〜スノードームの慈しみ〜逢いたいチカラ35』

—前回よりの続きです。


Snowball

ともかく夜も更けているので
電話では聞けなかった経緯などを大まかに母から聞きました。


リュウ(柴犬)のことを診てくれているのは
近所のリュウが幼いころからの、かかりつけの獣医さんです。

悪性リンパ肉腫の発症例が犬には稀であること。

その為、(自身では完全な対応ができないらしく)

リュウの病巣の細胞の検査をアメリカの何かの機関へ依頼したとのことで
その送られてきた検査結果なども見せてもらいました。

異常な数値がみられるところに何かメモ書きがしてあります。

院長先生も
リンパ肉腫=ガンの講演かセミナーに出席し情報を集めていらっしゃるとのこと。

母が記録していたリュウの病状の日誌を見せてもらったり〜。


     しかし、今一つよく理解ができません。


獣医さんはリュウを時には車で送迎してくれたり
何かと特別扱いをして下さっていることも判りました。が…、


      今から勉強を始めてもらっても‥。


不安が募ります。頼り無く思えてしまいます。


       — 情報が足りない。 —


実家(名古屋)にはインターネットの環境は整っていません。

リュウの状況をみながら少し落ち着いたら
Web環境のある知人のところで調べてみるつもりでした。

身内にガンを発病した人間がいなかったので
全く何の知識も持ち合わせていなかったことを悔やみました。

(リュウが良くもって後八ヶ月の命という)
限られた時間の中で全力を尽くしたいと

気の焦る私でしたが、


母は

近所の友達からいただいたという
コブシ大ほどもある‘ スノォドーム ’を手にしていました。

スノードーム(スノーグローブとも呼ぶそうです)とは

ガラス球の中に液体が満たされ
その中に人形や建物などのフィギュアが置かれ

雪が舞っているかのように見える、
光をキラキラと反射させるたくさんの紙片のようなものが入れられた置き物です。

実家のものはアコーディオンやヴァイオリンを演奏するピエロが3人、
ガラス球の中に置かれ、そのガラス球を回すと
台座の部分のオルゴールが曲を奏でる、というものでした。


何かのキャラクタものという訳でもなく、少し安っぽさを感じてしまいます。

母はそのスノードームをリュウの耳元へ当てがい


「 リュウが元気が無くなってウチの雰囲気が真っ暗だでねぇ…
  リュウにこうやって毎日オルゴールの曲を聞かせてあげとるんだよ…。 」


母が手を離すと、スノードームは静かにゆっくりと回り始め

その台座に内臓されているオルゴールのシンプルな音色の儚げな曲が
リビングに心地の良い反響を生んでいました。


  『 ‥リュウに音楽なんか解るはずないのに…。』


そう思いながらその様子を見ていた私ですが、

リュウはソッと目を閉じ、身体を丸めて

オルゴールの音色と母からの無償の慈しみを
小さな身体で少しも漏らさないよう精一杯受け止め

疲れ果てた心と身体を癒しているかのように見えたのでした。


                         —続く。


      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


『逢いたいチカラ』は全てが実話で私小説のような形式を採っています。
その為、全てが過去形での文章にしておりませんが、
よろしくご理解のほどお願い致します。


      ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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